水晶のカットについて

一般的に水晶および宝石のカットや研磨については、図で示すようなものがよく知られています。なかでもオーバル・カット、エメラルドカット、ラウンドブリリアントカットなどが有名で、宝石に興味のある方は、ご存知だと思われます。
しかし、ここで一つ注意してほしいのは、これらのカットは、そんなに精密な技術がなくても、それなりに見せることが可能なものだということです。つまり、「ごまかし」のできるカットといえるのです。
ところが、正四面体や正二十面体などの多面体カットの水晶は、まったくごまかしのできないものなのです。そのためこれらは“職人なかせのカット”と言われてきました。
これらの正多面体を正確に作り上げるためには、かなり高度な技術と勘が必要とされるため、研磨する甲府の職人の中でも、正確にカットできる人は、全職人のなで1割以下といっても過言ではありません。
正確な多面体をカットできる職人は、20年前3人おりましたが、10年前に1人、5年前に1人他界されました。現在では1人になってしまいました。ですから、正確な多面体は、非常に貴重な“美術品”と言えるでしょう。

宝石の主なカット